女性管理職が部下と良好な関係を築くには
皆のためにこんなに頑張っているのに…。
自分はこんなに一所懸命に部署のために、部下のために頑張っているのに部下はわかってくれない。私についてきてくれない、なぜなの? どうしたらわかってくれるの? なんて考えている人。チームをまとめるリーダーになって、これからは皆をまとめてグイグイ引っ張っていこうと張り切っているのに、皆は私の方には向かずいつも一人空回り、なんて悩んでいる人。ここで少し立ち止まって、「なぜ部下がついてこないのか」を考えてみましょう。
それは、部下のせいでしょうか。
部署の全員が自分の方を向くべき、と思わない
あなたの部下全員があなたの方を向き、あなたに従ってついてくるはずという考えを、まずは脇に置いておきます。ここで部署のリーダーとしてのあなたの役割を、再確認してみます。リーダーとして、あなたの役割は何なのか、今与えられているゴールは何なのか、その再確認ですね。
部下全員に自分の言うことを聞かせる、自分の後ろについてくるようにさせる、それがリーダーとしての役割でしょうか。そうではないはずですね。まずは、自分に与えられた役割に集中します。
部下がやるべき仕事を明確にして示す
あなたの部下がいま何の仕事にとりかかっているか、あなたは当然知っているはず。ですが、「たぶん、こんなことをやっているはず」程度の認識では、部下自身も自分がやっている仕事に対する認識は、「こんな程度」と思ってしまいます。
それぞれの部下の仕事を明確にして、それを当の部下にも伝えます。部下本人にも再認識してもらいます。「あなたの仕事は○○○です、結果は△△△となるよう出してほしい」と。リーダーであるあなたと部下との間の確認です。
新しい業務に取り掛かるなら、仕事内容の指示と同時に、その結果はいつまでにどうなって欲しいか、それも明確に伝えます。そうすることで、あなたはその進捗状況をいつでも求めることができます。
部下には進捗の確認を忘れずに行なう
指示した仕事はどうなっているか、進捗の確認は大事です。「部下を信じて任せている」と考えているだけなら、それは違います。任せた仕事の結果がどうなったかはもちろんのこと、途中の進捗状況についての確認も大事です。結果が出てからでは、軌道修正をしたくても手遅れなのですから。
部下には進捗状況を報告するように求めます。「報告・連絡・相談」ですね。報告がなければ、あなた自身から報告を求めます。「ホウ・レン・ソウ」は相互の情報共有のためと心得ます。「◎◎◎の件はどうなっているの?」と。目標を共有していることを、部下とともに自覚します。
「任せる」でも、最後の責任は「私にある」と言えるか
「任せた」仕事の任せっぱなし、その結果うまくいかなかったときに「あなたに任せたのにこんな結果にした」と不満をいうなら、これはまずいパターンです。途中の進捗状況の報告を受けるのはもちろんですが、部下の仕事の結果については、最後の責任は自分にもある、という気持ちが必要です。
その気持ちと姿勢は、部下に伝わります。上司は最後に責任をとってくれるとわかれば、部下たちは安心して仕事に集中できます。
「いい上司」をやめて、必要なことはきちんと伝える
部下の機嫌を損ねないように、部下から嫌われないようと考えているなら、その考えもひとまず脇に置きます。誰とでも穏やかに、和気あいあいと職場生活が楽しめるなら、それも大切ではありますが。現実は、そうとばかりも言えないはずです。
部署のリーダーとしての役割があなたに課されたならば、まずは会社組織として、あなたに求められている役割に集中することです。「物わかりが良い上司」「優しくて怒らない上司」「なんでもやってくれる上司」、こういった「いい上司」をちょっと休んでみます。リーダーとして自分に課された役割を自覚して、そのために必要なことはきちんと部下に伝える上司を、必要な注意を部下に冷静に伝えられる上司を、目指します。
あなたがあなたの役割を冷静に遂行していくのであれば、「部下がついてこない」の悩みの多くは、解消するはずです。
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著書:『女性が管理職になったら読む教科書—女性部下社員に支持される9つのポイント』 https://bit.ly/2Ahrpqr